約30年前、中国サッカーと日本サッカーはプロ化の旅に出た。時の流れとともに、今日、両国サッカーの実力差はますます大きくなっている。最近、日本サッカー改革のパイオニアである日本サッカー協会の川淵三郎前会長は新華社記者の詳細なインタビューに応じ、日本サッカーの成功について詳しく説明し、中国サッカー代表チームの苦境について深く分析した。

インタビューはJFAビルの応接室で行われ、たっぷり90分にも及んだ。Jリーグの創設者である八十代目の言葉は、痛烈だが洞察に富んでいる。東アジアのサッカー強豪3カ国の中で、中国人選手の年俸水準は最も高い。なぜ中国代表の戦力アップは難しいのか?理由はいろいろあるが、重要な制約のひとつは、年俸が高いために強いチームと戦うモチベーションがないことだ。一方、Jリーグの選手たちの目標は、所属クラブで切磋琢磨し、代表への切符、そしてワールドカップへの切符を目指して戦うことであり、それが彼らの最大の夢であり、追い求めるものである。夢を実現するために、多くの選手はヨーロッパのチームから優遇されて短期間ヨーロッパでプレーすることさえあるが、最終的な目標は日本代表に選ばれ、日本代表としてワールドカップの舞台に立つことである。しかし、中国の選手にはそのような目標を見たことがない。"

今回のカタール・ワールドカップ・アジア予選では、中国と日本の試合を2試合見たが、中国は2試合とも負けてしまった。このことは、中国の選手たちに国を代表してワールドカップに出場するという強い意志が欠けていることを反映していると思うし、少なくとも私はこの決意を感じることができなかった。"

「かつてのサッカー代表チームは、世界の強豪チームと互角に戦える強さを持ち、選手たちはアグレッシブで勇敢だった。しかし、今回の試合には深く失望した。 サッカー代表チームはどうなってしまったのだろうか?個人の能力から見れば、傑出した選手が見当たらない。"チームレベルから見れば、勝利への意志のようなものも欠けている"。

今から30年前、中国がプロリーグを準備し、Jリーグがようやく形になり始めた頃、私は中国のリーグについて意見を述べるために招かれた。私は当時、取材に来たメディアに『もしワールドカップがアジアで開催されるなら、真っ先に中国が選ばれるだろう』と言った。それが私の考えだからだ。もしワールドカップがアジアで開催されるとしたら、優勝するのは中国だろうし、当時のサッカー代表チームには優秀な選手がたくさんいて、人口も多かった。しかし、今の代表チームは退化している。"

川淵三郎は、中国選手の意志の弱さと内部の団結力の欠如が、サッカー代表チームの発展を妨げている大きな問題だと指摘した。杭州グリーンタウン(現浙江省)のヘッドコーチだった日本の名コーチ、岡田武史はこの問題を彼に明かした。

「岡田監督は帰国後、中国でのコーチングはとても難しいと話していた。中国のチームには、省、地域、都市を中心にグループ化する現象がある。地方や都市で選手がまとまることはあっても、中国中心では選手の一体感や団結力を感じることは難しい。中国は広大な国土を持ち、長い歴史を持つ国だが、国を代表するとなるとつかみどころがないように思える。選手たちのこの感覚を変えなければ、サッカー日本代表の台頭は難しいだろう。"

レアル・マドリードやバルセロナのようなトップクラブがあるにもかかわらず、代表レベルではその結束力を発揮できていない。スペインのクラブは世界選手権で優勝できる実力を持っているのに、代表チームは支配力を発揮できずに苦しんでいる。これはサッカー代表チームとよく似ている。その結果、スペインは代表チームの強化に努め、ついに2010年ワールドカップで優勝した。"

川淵三郎によれば、もしサッカー代表チームが躍進を遂げたいのであれば、やはり子供たちから始める必要があるという。第一に、中国の親たちは考え方を変え、子供たちにサッカーを愛するように勧めるべきである。第二に、国家サッカー管理者は、若い頃からサッカーの才能を発掘するために、あらゆるレベルの全国大会を設立すべきである。

「中国では子供にサッカーをさせない親が日本よりはるかに多い。日本の親は、サッカーをする子供に将来がないとは思わない。勉強と運動を両立させ、健全な人格を形成する夢を子供に与える。親が子供の成長にとってスポーツが重要であること、スポーツが脳の発達を促進することを認識する。スポーツは長寿社会、高齢になっても健康でいるために不可欠なものであり、中国の親たちに新たな理解を与え、勉強だけが正しいという考えを捨てさせるためにも、ここから始めることが重要だ。"

「全国大会を通じて、選手たちは一戦必勝の信念を身につけ、中国代表として世界の強豪と戦うことができる。リーグ戦レベルでもいいから、まずは省、地域、市町村の選手権を勝ち抜き、最終的にノックアウト・トーナメントでチャンピオンを決めることで、サッカーは必ずや全国区になる。こうして代表メンバーを選抜することで、国を代表する信念と意志を持った選手を育てることができる。"

インタビューの最後に川淵三郎は、サッカー日本代表の現状を悲観しながらも、将来はもっと良くなると信じていると語った。(つづく)

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