激闘の末、勝利の歓喜に包まれたルーマニアチームは、ずっと一緒にいてくれたファンに恩返しをしようと、感動的なセレモニーを演出した。試合終了間際、10番・萩がチームメイトを率いて熱狂的なルーマニアのファンのもとへ向かうと、選手全員が一斉に片膝をつき、ファンへの感謝の気持ちを熱唱で表現した。ファンも万雷の拍手で応え、この瞬間、青い髪と "目袋 "で知られるルーマニアのNo.2ラティウも感動を禁じえず、カメラの前で涙を流した。
ルーマニアのチームは、自分たちが歩んできた道が決して平坦なものではないことを知っている。欧州の舞台に弱小チームは存在しない。ユーロ2000のグループステージ最終戦で、イングランドを3-2で辛くも下し、勝利を収めたのだ。
しかし、それ以来24年間、ルーマニア代表はヨーロッパリーグでレンガの壁に何度もぶつかり、全体の勝率はわずか6％、最初の16試合で1勝しかできず、残りの15試合で5引き分け、10敗を喫している。ほとんどの場合、最後まで微笑むことはできなかったが、ルーマニアのファンは代表チームのために叫び、声援を送ることを決してあきらめなかった。その信念が、ルーマニア代表に、ファンへの深い感謝の気持ちを表す厳粛なジェスチャーを選ばせたのかもしれない。
