[プロローグ]
カタールで開催された2022年FIFAワールドカップの頂点では、南米の強豪アルゼンチンとヨーロッパの強豪フランスが世界レベルの戦いを繰り広げた。両チームとも5勝1敗でグループステージを突破。特筆すべきは、アルゼンチンが初戦のサウジアラビア戦でまさかの敗戦を喫したものの、その後の2試合で連勝してラウンド16進出を決めたこと、そしてフランスは開幕2連勝を飾ったものの、3戦目でメンバーを大幅に入れ替えたためにチュニジアに敗れたことだ。ノックアウト・ラウンドでは、アルゼンチンがベスト8でオランダをPK戦の末に僅差で破ったが、残りの2試合は比較的簡単だった。フランスは、ノックアウト・ラウンドの3試合すべてで相手を90分以内に倒すことに成功し、最も厳しい戦いもベスト8でイングランドを僅差で破った。
ワールドカップの優勝者リストでは、ブラジル(5回)、ドイツ(4回)、イタリア(4回)に次いで、アルゼンチンとフランスがともに2回優勝している。アルゼンチンは1978年と1986年、最近では2014年のブラジルで優勝し、5回決勝に進出しているが、最終的にドイツ相手に優勝を逃している。一方、フランスは1998年と2018年に2度優勝し、3度決勝に進出している。アルゼンチンとフランスの歴史的な対戦では、アルゼンチンが6勝3分け3敗とやや優勢だが、両チームの直近の対戦は4年前の2018FIFAワールドカップ・ロシア大会で、フランスはラウンド16でアルゼンチンを4-3で下し、ムバッペの2得点でベスト8進出を決めると、最終的にガリア・ルースターズが決勝まで勝ち進んでタイトルを獲得した。
[アルゼンチン]
グループリーグ開幕戦でサウジアラビアにまさかの敗戦を喫したアルゼンチンだが、その後はすぐに調子を取り戻し、連勝を飾った。4-3-1-2から5-3-2へ、そして4-4-2へと、相手の特徴に応じてフォーメーションを調整するのが得意で、戦術的思考の柔軟性を示した。試合中、スカローニはエンツォ・フェルナンデスやアルバレスをあえて起用し、タレントを制限なく起用する哲学を証明した。また、スカローニの戦術調整は何度も実を結んでいる。例えば、オーストラリア戦では、相手の激しいプレッシャーに直面し、リサンドロ・マルティネスに代えて5人のDFを交代させた。
"35歳のメッシは、戦術がどう変わろうとも、アルゼンチン代表の絶対的な核である。"35歳のメッシは今回のワールドカップで、5ゴールとムバッペが得点ランキング1位タイ、3アシストとブルーノ・フェルナンデス、ケインとグリーズマンがアシストランキング1位タイと好成績を残しており、ワールドカップのバロンドール賞の有力候補である。メッシがこれほど活躍できるのは、有力候補だからだ。メッシがこれほどまでに活躍できるのは、技術やメンタルがまだまだ絶好調であることに加え、その裏には "ドボディガード "のデ・パウルがいるからだ。メッシの年齢を考えると、攻撃的なプランニングに集中する必要があるため、チームメイトと守備の仕事を分担する必要がある。デ・ポール、エンツォ・フェルナンデス、マカリスター、アルバレスの4人は、メッシの走力不足をある程度カバーしている。特にデポウルは、相手のバックラインのプレッシャーが高い場面で、メッシと交代することが多い。攻撃面では、デポールはエンツォ・フェルナンデスのような高いボールスキルやパスの才能はないが、最も重要な「ボールなしで走る」ことを提供している。メッシは今回のワールドカップで18本のキーパスを出しているが、これはグリーズマンの21本に次ぐもので、デ・パウルがスペースを作り、守備をオープンにすることに貢献していることを証明する統計である。