ワールドカップ・ラウンド16のイングランド対セルビア戦が激しさを増す中、両国のファンは緊張感に包まれている。それぞれの優勝候補のために、ファンたちは命さえ惜しまない。大会の警備体制は全面的に強化され、試合の公平性を確保するため、スタジアムへのレーザーペンやその他の妨害装置の持ち込みは厳しく禁止されることがわかった。
警備が厳重なのは、両軍ファンの歴史的な対立があるからだ。今年3月のワールドカップアフリカ地区外3回戦、セネガルとエジプトの試合は1-1の引き分けに終わったが、PKの応酬ではセネガルのファンがレーザーポインターまで使ってエジプト選手の邪魔をしたため、エジプトチームのエース、モハメド・エル・シャナがレーザーポインターで全身を緑色の点だらけにされるなど、最初の2回のPKが失敗し、最終的にPKの応酬でセネガルが3-1で勝利するというスリリングな展開となった。セネガルはPK戦を3-1で制し、ワールドカップを制した。
昨年のヨーロッパカップのベスト4、デンマーク戦では、延長戦と12ヤードのシュートアウトまでもつれ込んだ。キャプテンのハリー・カーニーがペナルティ・スポットに立つと、イングランド・ファンがデンマークのゴールキーパー、カスパー・シュミットガルの目にレーザー・ポインターを向け、視力を低下させようとする様子がカメラに映し出された。カーニーが放ったシュートはゴールネットを揺らし、イングランドは決勝進出を決めた。このファンの行動は広く非難を浴び、大会の警備強化の理由のひとつとなった。