AFCチャンピオンズリーグのノックアウトラウンド準々決勝で重要な一戦が行われる。中国スーパーリーグ唯一のチームである山東泰山と、Jリーグ唯一のチームである横浜マリノスの直接対決は、間違いなく注目の的となるだろう。私見だが、崔康熙の個性は泰山の諸刃の剣のようなもので、その資質がこの戦いの行方を左右するだろう。
昨シーズンの初め、泰山チームは一時不安定な状態にあったことは認めざるを得ないが、崔康熙が監督に就任した後、チームはすぐに調子を取り戻し、リーグ戦とカップ戦で2位になっただけでなく、AFCチャンピオンズリーグでも準々決勝に進出した。崔康熙は泰山チームに独自の戦術ブランドをもたらした。中国スーパーリーグでも、泰山に対抗できるチームはほとんどない。崔康熹は冷静でタフなイメージの傍ら、泰山チームの気質を質的に飛躍させた。
崔康熙の頑固さと攻撃的なスタイルが、泰山チームの好成績を可能にしているが、同時にバックラインの穴も露呈している。例えば、崔康熙は高いボールタックル戦術を好む。この戦術とスーパーリーグでの泰山チームの厚みは問題ないが、AFCチャンピオンズリーグでは弁証法的に見る必要がある。横浜マリナーズと対戦する崔は、保守的な戦術を採用しないだろう。当然のことながら、泰山はハイタックルに固執するだろう。しかし、相手の速くて正確なパスを前にして、試合を通して効果的にボールを奪うことができなければ、どのように対処するのだろうか?
では、この対決にどう対処するか。鍵となるのは、マインドセットとテンポの2点である。まず、マインドセットを安定させ、世論を冷静にする必要がある。中国スーパーリーグで唯一のチームという栄光はさておき、横浜マリナーズを川崎フロンターレよりも強い相手と見なすこと。次に、中盤で安易に攻めすぎないよう、ハイタックルは控えめにする必要がある。同時に、チームメイトのポジションをよく観察して、プロテクションの下でタイムリーなスティールを確実にし、リスクを冒さないようにすることも重要だ。相手に出し抜かれないようにするだけでなく、デリケートなエリアでの不必要なファウルやターンオーバーを最小限に抑える必要がある。テンポという点では、自分たちの強みを生かし、弱点を避けることで、中盤でもつれすぎる必要はない。サイドとサイドのコンビネーションで、スピードと攻撃の見通しを強調すればいい。
巨匠の戦略は、封じ込め、打ち消す傾向にある。横浜マリナーズにとって幸いなのは、監督が就任してまだ日が浅く、絆を深めている段階であること。