元バルセロナのストライカー、アグエロはここ数年、苦しい時期を過ごしてきた。マンチェスター・シティでの最後の2シーズンは怪我に悩まされ、19/20シーズンはリーグ戦24試合、20/21シーズンはわずか12試合の出場にとどまり、回復したかに見えたものの、アグエロのパフォーマンスは決して良いものではなかった。怪我から回復したように見えたものの、アグエロのパフォーマンスは決して満足のいくものではなかった。
マンチェスター・シティは20/21シーズン終了後にアグエロとの契約を更新せず、フリーエージェントとしてバルセロナに移籍することを決めた。アグエロはシティでの10年間で、プレミアリーグ優勝5回、FAカップ優勝1回、リーグカップ優勝6回を経験し、ゴールデンブーツも1度獲得している。ゴールデンブーツを1度獲得したアグエロの退団は、この10年間におけるシティの躍進の重要な一因となった。
もともとアグエロがバルセロナに移籍したのは、バルセロナがリオネル・メッシの残留を約束し、アルゼンチン代表のフォワードラインでメッシとコンビを組むことを約束したからだ。これはアグエロにとって非常に魅力的なことだ。アグエロは33歳になっても、メッシとコンビを組める限りバルセロナの攻撃力は衰えないと信じている。そしてアトレティコ・マドリー出身の彼は、リーガ・エスパニョーラの環境にはすでに慣れている。
しかし、アグエロがバルセロナに加入した直後、リーガ・エスパニョーラはバルセロナの年俸上限を引き下げた。メッシが大幅減俸に応じたとしても、バルセロナのサラリーの穴を埋めることはできなかった。年俸の穴を埋めるため、バルセロナはメッシを売却せざるを得なくなり、結局、メッシは惜しまれながら退団することになった。
アグエロはこれにショックを受け、バルセロナが獲得交渉をしていた時とは雲泥の差だった。騙されたと感じた彼は怒りのあまり、プレシーズンのトレーニングへの参加を拒否し、バルセロナではプレーしないと噂した。アグエロは何度も努力した結果、最終的には落ち着いた。
しかし、アグエロの不運はそれだけで終わらなかった。10月18日にデビューを飾ったアグエロは、その直後に再び負傷してしまったのだ。10月31日、リーガ・エスパニョーラのアラベス戦でデビューを飾ったアグエロは、41分に突然激痛に襲われ、心臓に手を当てて前かがみになり、まっすぐ立つことができなくなった。相手選手と主審はすぐに問題に気づき、試合は中断され、チームドクターがアグエロの手当てをした。幸いなことに、アグエロは最後まで意識があり、治療のために病院に運ばれた。
診断の結果、アグエロは不整脈を患っていることが判明した。当時、アグエロは引退のニュースを否定し、競技に復帰するよう努力すると述べた。しかし、1カ月以上努力した結果、肉体的にもはや高いレベルの強度で競技に出場することは不可能だと判断された。
アグエロは昨日記者会見を開き、涙ながらに引退を表明した。
あまりに突然のことで、アグエロは33歳で、キャリアの後半に深刻な心臓の問題を抱えていることがわかった。悲しいキャリアの終わり方だ。心臓の問題は常にアスリートにとって見えない爆弾であり、診断が難しい。欧州選手権で事故を起こしたデンマーク代表MFエリクセンをはじめ、多くのアスリートは事故前はほとんど健康である。
アグエロは記者会見で、この問題が起きたのは33歳のときであり、それ以前ではないと語った。彼は自分のキャリアに誇りを持っている。
少なくともアグエロは、心臓に問題を抱える前にキャリアの大半を終えた。しかも、問題が発生した時点では命に別状はなく、病状が悪化する前に正しい判断をして治療を開始するために、医学的診断を受けることが間に合った。
結局、アグエロはバルセロナで5試合に出場しただけで、現役引退を表明した。
アグエロはデビュー当初から素晴らしいシュートストップ能力を発揮し、序盤は442フォーメーションでセカンドストライカーとしてプレーし、433フォーメーションでも左右でプレーした。爆発力とスピードが特徴で、ピッチ中央に素早く切れ込んでシュートを放つのが得意だ。ボックス内に引き込んでのシュートは素早く正確で、彼の名声となった。
(アトレティコ・マドリード時代のゴール数、ちょうど100ゴール)
シティでアグエロは、何人もの監督を経て、最終的にはペップ・グアルディオラの指導の下、戦術的なウイングとなった。中央と左サイドで常にボールを供給し、前への突破力と破壊力を発揮した。これが17/18シーズン、シティが勝ち点100を獲得してタイトルを獲得する重要な要因となった。
(アグエロのシティでの通算260ゴール)
メッシもまた、アグエロの引退を惜しみ、チームメイトの冥福を祈るメッセージを投稿した。
アグエロのキャリアで最も記憶に残る瞬間のひとつは、11/12シーズンの最終戦だろう。当時はマンチェスター・ユナイテッドと勝ち点で並んでいたが、ユナイテッドは最終戦でサンダーランドを破った。シティでは、ハーフタイムでリードしていたにもかかわらず、後半に1-2と逆転された。試合終了間際にドゼコが同点ゴールを決めると、93分20秒にはバロテッリからのぎりぎりのパスを受けたアグエロが右サイドからボックス内に飛び込み、クリアを避けてゴールに流し込んだ。この決勝点でシティはユナイテッドと勝ち点を89に伸ばし、最終的に得失点差でプレミアリーグのタイトルを獲得した。延長戦が5分間あったため、アグエロのゴールは「90+5」と呼ばれ、プレミアリーグでの数え切れないゴールの中でも最も話題になったゴールのひとつとなった。
さようなら、アグエロ。